2006年 06月 14日
『モーリスとテレーズ』 |
リジューの聖テレーズが生前修道院長であった姉のすすめに従って文通していた若き宣教者との往復書簡集です。もう100年前の出来事ながら、書かれたものは書いた人の息づかいをそのまま伝えてくれます。聖テレーズの亡くなる直前まで続けられたわずか二年余りの歳月の濃密さにも驚かされますが、何よりもこの若き宣教者となってアフリカに赴き、志半ばでフランスへ帰国、故郷であるノルマンディの海辺の町で死んでいったモーリス神父の生涯はとても興味深いものでした。
幼いころのトラウマに由来するものでしょうか、激しく敏感な感受性、若者らしいノーマルな(笑)罪悪感に苦悩するモーリス。そのころテレーズは未来の聖人として全世界を抱擁するほどに成熟していました。このあまりの精神的な隔たりにもかかわらず、テレーズが心を傾け愛した凡庸な宣教師の幸福。それは質素な墓のそばにその後立てられた「聖テレーズの被保護者」という記念碑になって残っているといいます。
Communio Sanctorum。聖なるものの交わり。
モーリスの墓のそばに建てられた「聖テレーズの被保護者」という記念碑は、この聖女に深い縁を感じたことのある人ならばその心に建てるべきものかもしれません。どんなに彼女の聖性から隔たっているとしても。
幼いころのトラウマに由来するものでしょうか、激しく敏感な感受性、若者らしいノーマルな(笑)罪悪感に苦悩するモーリス。そのころテレーズは未来の聖人として全世界を抱擁するほどに成熟していました。このあまりの精神的な隔たりにもかかわらず、テレーズが心を傾け愛した凡庸な宣教師の幸福。それは質素な墓のそばにその後立てられた「聖テレーズの被保護者」という記念碑になって残っているといいます。
Communio Sanctorum。聖なるものの交わり。
モーリスの墓のそばに建てられた「聖テレーズの被保護者」という記念碑は、この聖女に深い縁を感じたことのある人ならばその心に建てるべきものかもしれません。どんなに彼女の聖性から隔たっているとしても。
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by ouistiti
| 2006-06-14 22:01